DX・ICT推進部
もっと、できることが増える。世界が広がる。

会えない不安の先にも目指す希望は生まれる。デジタルで導く価値観がそれぞれの道標に。

コロナ禍で世界の状況は変わった。もちろん西鉄もそうだ。
日を追うごとに電車やバスを利用する人が減っていく。

商業施設や飲食店に人が集まらない状況が続いた。
対面での出会いから生まれるサービスを仕事にする西鉄はこれからどうなる?

そんな不安は続き、事業として厳しい局面もあった。
「このままではいけない。
新しいことをやろう。」
社内からも少しずつ、声が上がっていく。そうして、お客さまとコミュニケーションする
ための新しい空間が生まれた。
仮想空間で西鉄に触れることができる
「にしてつバース」というプロジェクトがそれだ。
これまでは、西鉄を利用する
人としか接点がなかった。
しかしこれからは、西鉄を利用しない人でも、身近に西鉄を感じることができる。
にしてつバースで新しい価値が生まれた。
デジタルはコミュニケーションやサービスをよくするためのもの。
ビッグデータは、多くの
人の声と言ってもいい。
DX・ICT推進部は、
デジタルを通じて西鉄グループそれぞれの事業が、
その時代に合ったより良いサービスを提供するためのサポートを担っている。

CROSS TALK vol.01 【DX・ICT推進部】

リアルとバーチャルが混在する時代がすぐそこまで来ている。生活を支える西鉄が、時代の変化と共にお客さまによりよいサービスを届けることができるように。西鉄の基盤をデジタルから支えるDX・ICT推進部の3人によるトークセッションです。

  • 藤﨑 祥平 FUJISAKI SHOHEI

  • 徳永 幸大 TOKUNAGA KOTA

  • 新開 千聖 SHINGAI CHISATO

「なぜ西鉄に入社したのか?」教えてください。

藤﨑
2016年 新卒入社

私は大学で学んだIT技術の知見を活かし、生まれ育った福岡に貢献したい気持ちから入社しました。バスナビがリリースされた際に、利用者として不便が解消され、アプリ1つで暮らしを変えられる企業だと感じたことも西鉄を選択した理由です。

徳永
2020年 新卒入社

私は大学時代に学んだIT知識を活かして、地元福岡に貢献したいという思いで入社しました。また、「自分の仕事を通して人々の暮らしを豊かで幸せなものにしたい」という思いを、生活に関わる幅広い事業を展開している西鉄だと実現できると感じたことも理由の一つです。

新開
2022年 新卒入社

大学時代に復興支援ボランティアを行っていた経験から、地域に寄り添ったまちづくりに携わりたいと思っていました。西鉄の線と面の事業展開に魅力を感じ、再開発も相まって活気付く福岡で何でも挑戦してみたいという思いから入社を決めました。

地域に寄り添い、貢献したい思いがあるから。

DX・ICTの部署では、西鉄のどういう役割を担っていますか?

DXとはDigital Transformationの略語で企業がAI(人工知能)やIoT(モノをインターネットに接続する技術)、ビッグデータ(様々な種類の巨大な情報データ群)などのデジタル技術を用いて、業務の改善や新しいビジネスモデルの創出、システムの開発や企業の経営変革を実現させることを意味します。

藤﨑

DX・ICT推進部は、各事業部門に対しICT活用に関する提案をしたり、各部門からのシステム導入に関する相談を受けたりする情報システム部門です。
西鉄には、鉄道、自動車、都市開発、住宅、物流など様々な事業がありますが、DX・ICT推進部はそれらの事業部を横軸でサポートする役割を担っています。デジタルテクノロジーが進み、ビッグデータが手軽に集まる世の中になったため、それらをうまく活用し、西鉄グループ全体の営業施策立案やお客さまの顧客体験向上につなげるためのサービスを事業部門と一緒に企画しています。集めたデータを分析し、その結果を元にお客さまが求めるものを理解し、「デジタルを活用した新たな展開や考え方」を西鉄グループ全体に提供することで、新たなサービスや価値を創出する旗振り役でもありたいと考えています。

DX・ICT推進部から新たな価値を生み出す
「メタバース」プロジェクトを始動。

メタバースとは、仮想空間を意味します。参加者がアバターと呼ばれる自分の分身を操作して他の参加者と交流したり、ショッピングを楽しんだり、風景を眺めたりできる3次元の仮想空間のこと。2023年、2月にスタートした「にしてつバース」プロジェクト。にしてつバースとはつまり、西鉄のメタバース。オンラインでお客さまと交流ができる空間です。

「にしてつバース」を始めるきっかけについて教えてください。

徳永

西鉄グループのほとんどの事業は、対面を通じたサービスです。人の交流や対面での出会いがなかったら成り立たない仕事も多いので、コロナによる影響は非常に大きかったです。人と接する機会が減った時期に「デジタルを通じてもっとお客さまとコミュニケーションをとることができないだろうか」という話からにしてつバースのプロジェクトがスタートしました。西鉄の企業理念は「出逢いをつくり、期待をはこぶ」です。
この考えに則って、「新しいことをやってみた方が良い。」という社内からの意見もプロジェクトを行う後押しになりました。

「にしてつバース」に対する思いを聞かせてください。

徳永

にしてつバースをお客さまに対する西鉄の想いを伝える空間にできたら良いなと思っています。みなさんに普段使っていただいているバスや電車は、それぞれのセクションの方々の努力の結晶というか、細やかな準備や積み上げてきた経験がカタチになったものなので、そのような見えない部分を少しでも伝えられる場にできればと思っています。例えば運転士さんが運転の際に工夫していることや気をつけていることなど、お客さまの目には映らないけれど、お客さまを想った行動、気配りなどがたくさんあります。そういった想いを伝えることができるコンテンツを今後もっと増やしていきたいです。

新開

にしてつバースをつくる際に、徳永さんたちが「鉄道やバスのファンは何が好きなのか」ということを会話をしていたのが印象的でした。にしてつバースはファンの心理を反映している部分も多くあると思います。

徳永

まずは、西鉄のファンになってもらいたいと思って。メタバースの世界なら、空間を超越するし、スマホを持っていればいつでも、どこに住んでいても西鉄電車や西鉄バスを間近に感じることができます。「多くの方々が西鉄に愛着を持てる」。そこを1番のポイントにしたかったので、鉄道やバスの営業部門と一緒に、議論しながらつくりました。

「暮らしを支えている表に出ない想い」を
伝えるものをつくりたい。

他にも、DX推進事業として「観光体験」をされていますが、
そのことに
ついて聞かせてください。

徳永

当時、新型コロナウイルスの影響でお客さまの電車・バスの利用がかなり減っていて、遠くのお客さまも観光をしたくても、なかなか遠方には観光に行けないという状況でした。当時話題になったのが「マイクロツーリズム」という地元の方に地元の魅力を再発見してもらうという観光体験でした。その中で我々も何かできないかということで、当社の営業エリアで地域の方に地元の魅力を再発見できる企画を始めました。実は「福岡市って観光地がない」って言われていますが、結構面白いところがあって。例えば、博多には日本に初めてうどんを持ち込んだ「うどん発祥のお寺」があったり。そのような隠れた魅力を持った場所を巡るコースを組み、徒歩やバス、電車を利用して移動できる範囲で巡るデジタルスタンプラリーを開催しました。さらにスタンプをいっぱい集めた方に抽選で景品をあげるというキャンペーンも行いました。デジタル技術を用いてスタンプラリーをやる事は、非接触でスタンプラリーが実施できるということもポイントでした。

藤﨑

デジタルスタンプラリーのように観光にデジタルを入れることで、お客さまの行動をデータで収集することができます。そのデータを分析することで、お客さまの行動動機が見えてきます。また、行動データだけではなく、デジタルスタンプラリーのアプリから、お客さまの声として「もっとこういうプランが欲しい」などのご意見もデータとして収集できるので、お客様の行動とご意見のデータをうまく活用することで、さらに良いサービスや企画をご提供できるきっかけになります。

データを利活用することで
新しい流れができる。

藤﨑

私はデータ利活用を担当しています。各事業部から上がってきたお客さまの行動や属性などのデータを個人が特定できない状態で集約・分析して「お客さまにより良いサービスを提供し、さらにデータが集まり、またより良いサービスを提供する」という循環を作っていこうという目標があります。今回のメタバースや観光体験、LINEなどのSNSも含めて、西鉄を利用されていない方々との接点があることで、今まで集められなかった様々な情報を集めることができます。これによりお客さまの人物像の解像度があがり、その場所、その季節、その人に合ったサービス提供にもつながっていきます。今後は各部門でも集めたデータを分析できるよう社内育成を図り、より良いサービスを作っていきたいと考えています。

データはコミュニケーションの手段を広げる。

徳永

データ収集は、あくまでサービス向上のための顧客理解、つまりお客さまとのコミュニケーションとして行なっています。事前にインプットすることで、より良いアウトプットをする。人と接する時も、事前にその人の性格や好みなどを知った上で会話した方が、より会話が弾みますよね。それと同じようにデータはサービス向上にとって、とても重要です。

様々な分野からまちづくりに関わることができる
西鉄の魅力について。

西鉄だといろんな業務がパズルのように
つながってひとつのカタチになる。

新開

もともとみなさんはITの技術職として入社されていますが、私の場合は事務系の総合職として入社し、IT部門へ配属されました。日々の業務では、様々な部署の方々と連携して顧客体験の向上や事業改善に役立つサポート業務を行なっています。例えば「業務を遂行する上での問題予測」や「分析や意思決定」など西鉄グループの色々な分野との繋がりができます。直接的にお客さまと関わる仕事ではないですが、データを活用するという仕事を通して結果的にまちづくりに携われていると思っています。まちづくりといえば、ビルや施設の開発のイメージがあると思いますし、煌びやかな開発に関わりたいという就活生も多いと思いますが、西鉄ではまちづくりに携わるアプローチの仕方は様々あると思っています。

徳永

確かにそうですね。ビルや施設の開発をして、人が集まる場所を作ることがまちづくりというイメージがありますが、それだけではまちづくりとは言えないと思います。人の流れを作ったり、まちの文化を作ったりして、ビルを建てて終わりではなく、その後どんなまちでどのような生活をしてもらうかまで考えることがまちづくりと思っています。
そうすると、IT技術が直接まちづくりに関わっていく機会も増えていくと思いますし、西鉄発信のバーチャルのまちができる可能性だってあります。ただ、西鉄はお客さまファーストの会社なので、それが「お客さまにとって、本当に必要なものか?」という視点は欠かせません。そのまちで生活する人たちとコミュニケーションを取りながら、求められるものを作っていく必要がありますよね。

普段の業務で意識していることはありますか?

新開

部署名にもある「推進」の役割を果たすために何ができるかを常に考えるようにしています。様々な事業を推進するために各部署と一緒にやっていくという中では、俯瞰で物事を見るスキルが重要になってきます。そのためにも、他社の取り組みや社会の動きは積極的に情報を入れていこうと日々心がけています。推進は、一方的な進め方ではなく、「共に進めていく」という意志があると思っています。

藤﨑

各部署がもつデータそれぞれが独立していたら、サービスをつなげにくいですよね。そのために、すべてのデータを一元化できる器としてデータレイクを作りました。データを統合して管理することで、西鉄グループ全体で繋がっていきます。例えば、西鉄電車を利用している方は、駅に向かうまでに西鉄バスを利用しているかもしれません。ソラリアプラザを利用する際は、西鉄電車を利用しているかもしれません。
今は「ICで9割のお客さまがどこで乗ってどこで降りるのか」が明確に分かるようになりました。バスだけ。鉄道だけ。商業だけ。というデータ活用の仕方ではなく、横串でデータを統合することで、見えてくることがあります。事業部単独ではできないデータ活用環境を提供していくことを意識しています。